塩谷哲夫の
ブラジル便り
塩谷哲夫よりメッセージ

その1:以下はグァタパラ移住地入植43周年記念祭での塩谷の「JATAKセンター所長』としての挨拶です。 今後の移住地の発展のために必要な自立のための経済的な基盤作りなどについての示唆を述べました。 このところ、実際に、こつこつと経営・技術改善のための農家まわり・セミナーなどの普及活動をしています。 「成果」がでるのは、大分先のことになるのでしょうが。 ご助言・ご指導をいただければ幸いです。
塩谷哲夫(2005.7.14)

(塩谷哲夫:ブラジルJATAK農業技術普及交流センター所長)
グアタパラの皆さん、おめでとう!
全拓連JATAK センター所長 塩谷哲夫

全拓連ならびにJATAK農業技術普及交流センターを代表して、お祝いを述べさせていただきます。
グァタパラ移住地入植43周年祭、収穫祭、おめでとうございます。また、併せて、小泉首相のグァタパラグァ訪問記念碑の除幕式、おめでとうございます。 川上淳グァタパラ農事文化体育協会会長はじめ移住地の皆様、ご来賓の皆様、そして各地からお出でくださいました日系人はもとよりブラジレイロの皆様と共に喜びを共にしたいと思います。 今の私の気持ちは、ハイ、このとおりであります。『感動』(シャツの背中の文字)です。
ご来賓の皆様が、こぞって、第1回笠戸丸移民の配耕の地:グァタパラの歴史的価値、そして戦後新たに移住されてこられた皆さんの取組みの成果を象徴するかのような小泉首相の来訪について、お祝いを述べられました。 私は、共にこの地にあるJATAKセンターの所長として、また、共に住む者として、このような歴史的成果を踏まえて、このグァタパラの地の、今後いっそうの発展の希望、期待を述べてお祝いの言葉としたいと思います。 第1に、旧ファゼンダ・グァタパラのカフェ精選所や「シネ・グァタパラ」の遺構等を日伯交流の遺産を記念する歴史公園として保全してほしいと願うものです。併せて、周辺のドゥモン、カナン、サン・マルチ−ニョ等のグァタパラと同じ第1回笠戸丸の人々の配耕された記念の地、また、第2回旅順丸の人々の配耕されたジャタイ−などを含めたグァタパラ周辺の地域を訪ねる歴史ツアーを組織してほしいと思っています。 次に、地域拠点であるグァタパラが、この地域を訪れる人々にとって、心安らぐ癒しの地として、豊かで、美しくあってほしいのです。 その前提として、移住地とその周辺を含むモンブカに住む日系人・ブラジル人にとって、ここで努力して、そして楽しく働きながら暮らしていける経済的な支えが必要です。そのための農業関係の生産、加工、販売などが発展するようにお手伝いするのが私たちJATAKセンターの大事な仕事の一つです。 ここはブラジル一のレンコンの産地ですし、低地を利用した水田のコメ、パフィァ等の低地の湿生薬用植物など、地域の恵まれた自然環境を生かせる産物があります。また、グァタパラ第一の農産物である養鶏のタマゴがあり、日本に輸出されているサプリメント「アガリクス」も作られています。 最近ではダイズ「アウロラ」を原料にした豆腐や味噌、それに「ヤマクラゲ」という新商品があります。センターでは柿やデコポン、新しい薬草が、ここに導入できないかどうか試験をはじめています。 農業は、何も特定の産物だけの大産地である必要はないのです。特定の作物だけの単作(モノカルチュア)は自然の摂理に反するところのあるしぜんの環境に保全にとって、また、経済的な変動の影響を受けやすい危ない農業なのです。さまざまな多様な生産が行われていることこそが、地域の自然環境を生かした本来の農業のあり方だと言えます。 ただし、いろいろ作っても、各家庭での自家用にはいいのですが、沢山出来てあまってしまうこともあるし、世の中は資本主義社会ですから作ったものを売ってお金に換えないことには働いた苦労は報われません。そこで、少しもものでも売れる場所が必要です。セアザに出すほどの量がなくともお店に売ってもらうとか、直接販売できる場所を作ることが必要です。 できれば、皆さんの生産物が、このグァタパラ地域を訪れる人たちへのおもてなしの料理の材料に買ってもらえたり、お土産として買っていってもらえるようにならないかと思います。皆で知恵を出し合いましょう。 ところで、今日お出でいただいた皆さんは、グァタパラがイッペ・アマレイロの花で彩られた季節にお出でになられたことがありますか? イッペの花は近くで見てももちろん美しいのですが、私はイッペの花の黄色が、周りの緑や、赤い土、家々と調和した、遠くから眺める景色が好きです。そんな時、「ここが懐かしいふるさと:グァタパラ」なんだといった気持ちになります。是非皆さんにまたお出でいただいて、ご覧になっていただきたいと思います。 グァタパラ湖のまわりもゆっくり周遊できるようにきれいに整備されたら、いいだろうなあと思います。 あれこれ沢山話しましたが、グァタパラはいろんな良さがあります。 日伯交流の歴史遺産の里、グァタパラ 美しいグァタパラ いろんなおいしいもののあるグァタパラ 豊かなおもてなしの心のあるひとびとのいるグァタパラ  これは、夢物語ではなく、グァタパラに住むの私たちが力を合わせれば、また今日お出での皆様はじめ、周りの皆さんのご協力もいただいて、一歩一歩実現していける希望であります。しかし、この道を歩き通すのは、特に若い世代の皆さんに力を発揮していただかないことには困難かもしれません。 開拓世代の人々が築き上げた今日の到達点を、さらに発展させて、より良いグァタパラが築かれることを期待し、また、JATAKセンターの私たちも一緒に努力することをお約束して、お祝いの言葉としたいと思います。 グァタパラ移住地入植43周年おめでとう! グァタパラを、もっともっと良いところにしていきましょう!   (2005.07.10)
 
 
1.ブラジル農務省特別補佐官、イシドール山中氏と懇談するブラジル健康食品研究配の訪泊、メンバー(2004.9.3、サンパウロ市ニッケイホテル内交流会で)   2.グアタパラ市にある日本人の開拓記念碑に参拝するブラジル健康食品研究会メンバー
 
3.グアタパラ市の小島さんは希少植物のキャッツクロウを採集、薬用化を目指している。   4.小島さんは指のリュウマチに苦しんでいたが、キャッツクロウの飲用で快方に向かったという。「これこのとおり」
   
5.小泉さんの突然のグアタパラ訪問。歓迎する日系移民の方々。元グアタパラ日系人文化教育協会長、近藤四郎氏提供。
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その2:地元グァタパラ移住地の「新聞」への投稿です。 私の活動の一端を紹介します。
グアタパラ新聞 2005年7月号
JATAKセンター発「農業技術情報」(第11回)
@ 日伯交流新時代の幕開けを期待する。
A グァタパラで健康に良い資源生物を育てたい。

JATAKセンター 所長 塩谷哲夫

グァタパラ移住地がさまざまな困難を乗り越えて、入植43周年を迎えられましたこと、おめでとうございます。JATAKセンター職員一同、喜びを共にしたいと思っております。 特に今年は、昨年の小泉首相来訪を記念した「感動」記念碑のお披露目があるとのことで、移住地の皆様の喜びもひとしおかと存じます。  去る5月26日には,今度はブラジルのルーラ大統領が日本を訪問し、小泉首相に再会され、日本国会でも演説されました。沢山の閣僚も同行し、また、大規模な経済・通商代表団による観光、IT、エネルギー、エタノール、アグリビジネス、航空宇宙産業等の広範な分野についてのセミナーやビジネス・ワーキング・セッションが行われました。 ちょうど日本滞在中だった私は、東京・有楽町駅前でイジドーロ農務大臣特別補佐官にバッタリ出会って驚きました。用事があって訪れた都心のホテルはブラジルのミッションの人々であふれていました。今回の日伯首脳の相互訪問が、日伯交流の新時代が開かれるきっかけになってくれればうれしい限りです。(ただし、日本のメディアがほとんど取り上げず、広く日本の国民に日伯交流の重要性を伝える役割を果たさなかったことが遺憾であり、また、その認識の低さをはらただしく思いました。)  さて、移住地の皆さんをはじめとする日系農業者やJATAKの私たちにとって良かったことは、イジドーロ氏が、日系農協・農業者の要望を農林水産省、JATAK本部に伝えてくれたこと、また、ホベルト・ホドリグェス農務大臣と島村農林水産大臣との会談の中で、ブラジル日系農協の活性化事業の調査プロジェクトを立ち上げることが話し合われたことでしょう。この働きかけや話し合いの結果が、いずれは何らかのプロジェクトとして、グァタパラやブラジル各地で実現されるのではないかと思います。  日本の首相や産業界の大きな関心はカンナから生産されるエタノールやそれに伴うCO2取引等の大きなことでしょうが、一般の日本国民のブラジルの産物に対する関心はもっとささやかで身近な食べ物や健康補助食品(サプリメント)にあるようです。3月から5月にかけて、東京や大阪などで健康補助食品関連のいくつか大きなEXPOが開かれました。私も頼まれて、ブラジルには私たち人間の健康に良い役割を果たしてくれる生物資源が沢山あることを紹介しました。たとえば、ここグァタパラに自生している「パィア」、栽培されいる「アガリクス」や、プロポリス等です。グァタパラの自然環境を活かして、また小さい畑でも作れるものが沢山あります。 センターでも、バイオ実験室やハウスなどを活用して、これらの資源生物の増殖や栽培法の開発に取り組み始めました。これらの植物の種類、育て方、効き目等について、経験深い移住地の方々のお知恵も貸してもらえればうれしいです。一緒にやりましょう。
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